個人事業主は会社員と違って、確定申告により自分で税金を計算して納める必要があります。確定申告までに日々の帳簿付けが必要で大切です。
しかし、日々の帳簿付けでどの項目を経費にしてよいのかわからないという悩みも多いと聞きます。色々な種類の支払いを勘定科目に仕訳したり判断したり大変ですよね。
私は税理士事務所で勤務した経験がありますが、その悩みや気持ちはよくわかります。
個人事業主の方のそんなお悩みに対して少しでも役に立つため、確定申告の経費項目一覧表を作成しました!私の経験をふまえて、この記事では以下のことをご紹介します。
個人事業主で初心者の方にもできる限りわかりやすく、またお役に立てる情報も紹介しますので是非参考にしてみてくださいね。
確定申告のやり方については別記事で解説してますので参考にしてくださいね↓
個人事業主が確定申告で使う経費項目一覧
個人事業主が確定申告で使う経費経費項目一覧表を作成しました。
一般的によく使われる経費項目一覧です。勘定科目ごとに経費で計上できるものをまとめました。
経費項目や順番は個人事業主が確定申告で利用する「所得税青色申告決算書(一般用)を参考にしました。参考:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)
なお、いまから紹介する経費項目一覧は「事業の費用」というのが大前提です!
勘定科目 | 具体例 |
租税公課 |
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荷造運賃 |
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水道光熱費 |
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旅費交通費 |
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通信費 |
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広告宣伝費 |
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接待交際費 |
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損害保険料 |
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修繕費 |
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消耗品費 |
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減価償却費 | 高額な固定資産(購入金額10万円以上)を一定期間にわたり計上する費用
(固定資産の例)
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福利厚生費 | 従業員の慰安、衛生のなどのための費用
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給料賃金 |
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外注工賃 | 外部業者に業務委託した費用
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利子割引料 |
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地代家賃 |
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貸倒金 |
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雑費 | 必要経費でいずれにも当てはまらない項目 少額で一過性のもの
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車両費・燃料費 |
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賃借・リース料 |
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支払手数料 |
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専従者給与 | 青色事業専従者に支払う給与
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これだけ見ると本当にたくさんありますね。
勘定科目の名称には、明確なルールはないのでどのような書き方でも間違いではないですが、将来的に見やすい項目や経営分析がしやすいようにしておくと便利です。
個人事業主初心者で確定申告も経費のこともよくわからないし、帳簿付けるのが面倒っ!て方は、クラウド会計ソフトfreeなどのツールを利用すると楽になります。
詳しくはこちらの記事で解説しています↓
個人事業主が確定申告で経費にできない項目
個人事業主が確定申告で経費にできない項目もあるので注意が必要です。
経費にできない項目一覧もまとめてみました。
基本的には、事業と関係のない生活用のものが経費にならないという考え方です。
項目 | 具体例 |
事業主自身
家族や親族のための支払 |
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事業主の税金 |
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事業に無関係な支払い |
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罰則金・反則金
その他 |
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参考:国税庁 | やさしい必要経費の知識 |
確定申告で個人事業主が経費にならないものを計上しないように注意しましょう。
ここまでたくさんの項目を見てきました。これは提案ですが、こういう機会に支払いを安くするための支出を見直してもよいかもしれません。
例えば、以下のサイトなどで一括比較などができるので試す価値はあると思います。
- 生命保険の見直し→何回相談しても無料!【保険見直しラボで保険相談】
- 火災保険の見直し→火災保険の見直しで家計を節約
- 自動車保険の見直し→無料の自動車保険一括見積もりサービス
経費は少なくなるかもしれませんが、手元にお金が多く残るという最大のメリットにつながる可能性もあります。
個人事業主の経費の考え方
個人事業主が確定申告で経費にするかしないかの考え方のポイントを簡単に紹介したいと思います。
原則から言うと、「必要経費は、事業所得等の金額の計算においては、経費と事業等との関連性を要し、かつ家事費(生活費)排除の原則に従うことになる」です。
ポイントとしては、以下の通りとなります。
- 事業と直接的に関連しているか
- 家事分(生活費や個人的な支出)ではないか
- 収入(売上)と対応しているか
経費は当然に事業に関連するものを計上しなくてはなりませんし、生活費や個人的な遊び代を経費にするのは到底認められるものではありません。これが原則です。
また、事業の種類は様々なので、この事業では経費になるけど、この事業では経費にならないというケースもあります。
そこで大切な考え方は、支出した経費が事業収入(売上)に直接につながっているかです。事業支出があって事業収入があがる。ちゃんとそれが直接的に対応しているか。
あと、その金額のバランスは適切かを考えるとよいでしょう。例えば、10万円の経費支出で1万円の収入(売上)だったら、税務署としては本当に10万円も経費なのかと疑われる可能性もあるという意味です。
参考:国税庁「所得税法第37条に規定する直接性に関する一考察」
明確な答えが無いことですが、何事も適正範囲で!
個人事業主が経費にしてよいか迷うケース紹介
個人事業主は、確定申告で経費にしてもよいか迷うことってたくさんあると思います。
ここでは、いくつかのケースを紹介します。
家賃やガソリン代は経費にできる?
個人事業主の確定申告で家賃は経費にできるのでしょうか。結論を言うと、事業用で利用している部分のみならば経費にすることができます。家事按分という考え方です。
例えば、個人事業主で自宅兼事務所としている方の場合、以下のものが経費になる可能性があります。
支払いの中で生活用と事業用で合算されている場合に、事業使用部分のみを按分して経費にする
- 地代家賃…事業として使用している床面積割合などで按分
- 水道光熱費…電気代などを使用時間などの割合で按分
- 通信費…ネット使用料、携帯電話など使用時間などの割合で按分
- 車両費…ガソリン代などを走行距離などで割合按分
明確な計算基準を持ち、生活用の部分は経費にしないことがポイントです。
家事按分は個人事業主の節税策の記事で紹介してます。節税に興味のある方はこちらも是非参考にしてください↓
スーツって経費になる?
個人事業主の確定申告でスーツは経費になるのでしょうか。少し前にテレビでニュース報道されたことがあります。
結論を言うと、現状では認められない可能性が高いでしょう。もちろん例外もあるのかもしれませんが、スーツが無いと事業ができないことはあまりなく、普段着でも着ることがありますので経費としては難しいでしょう。
個人事業主の確定申告経費項目一覧を作成!家賃やガソリン代は経費になる?のまとめ
個人事業主の確定申告経費項目一覧を作成!家賃やガソリン代は経費になる?の記事は参考になりましたか。最後に経費についてもう一度おさらいしましょう。
- 経費になる項目とならない項目がある
【経費を判断するポイント】 - 事業と直接的に関連しているか
- 家事分(生活費や個人的な支出)ではないか
- 収入(売上)と対応しているか
この記事により、正しい確定申告と適切な経費計上のお役に立てば幸いです!
ここまで読んで、自分では経費の判断もよくわからないし時間もないし面倒だ!って方は、コストはかかりますが税理士さんを検討してもよいかもしれません
無料でオススメの税理士探しのサイトリンクを貼っておきますの参考にしてください→税理士ドットコム
さらに詳しく勉強したい方は、経費について参考にしたおすすめの書籍があるので紹介します↓

また、節税策について勉強したいという意欲的な方は、おすすめの書籍をまとめましたので是非チェックしてみてください↓
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